「発光ダイオードを用いたTTL論理テスタ」と「スイッチによるT型FFの駆動の検査」
電子回路I特別授業 Nov1999

担当 coskx

1.目的
発光ダイオードを用いたTTL論理テスタを作りたい。TTLIC 74LSXXの出力端子の論理が0か1をオシロスコープでなく,簡単な発光ダイオードを用いて製作したい。
(注意)いくつか,思い通りに動かない事も出てくるが,あえて説明しない。各自そのときに考えること

2.派生する目的
(1) 論理回路のかんたんな例としてT型フリップフロップを作って,それを発光ダイオードを用いたTTL論理テスタで,動作チェックをする。
(2) T型フリップフロップのONOFFを押しボタンスイッチで作ったパルス信号で行ないたい。これは,学科企画のあるイベントで押しボタンスイッチのONOFFの状態を0−1の2値としてをコンピュータにとりこみたいという願望を実現する手段でもある。

3.はじめの一歩
学科企画のあるイベントで押しボタンスイッチのONOFFの状態を0−1の2値としてをコンピュータにとりこみたいという願望があった。これは押しボタンスイッチのONOFFの状態をTTLICの入力につなぐことと同じ意味である。
次の2つの図ようなスイッチのつなぎ方で願望はかなえられるであろうか。
 

図1 押しボタンスイッチのONOFFをTTLICの入力につないだところ

図2 押しボタンスイッチのONOFFをコンピュータのバスドライバの入力につないだところ

4. 電源につながれた抵抗の他端をスイッチで切り離したら
図3において,スイッチをONOFFした時の端子Aの電圧はそれぞれ何ボルトになるであろうか。

図3 スイッチとプルアップ抵抗

5.押しボタンスイッチの状態のTTLICへの取り込み
図4のようにすると押しボタンスイッチのONOFFの状態を0−1の2値としてTTLICに取り込むことができるであろうか。もしできたとしたならば,抵抗の値はなぜ10kΩなのだろうか。TTLICのマニュアルから入力の電流条件を考えよう。
  

図4スイッチと抵抗とTTLICの入力

6.T型フリップフロップの製作
スイッチと抵抗を用いて入力信号を作り,JKフリップフロップTTLIC74LS7476でT型フリップフロップを作ってみよう。なぜかTTLIC群にはT型フリップフロップが存在しない。JKフリップフロップのJとKの入力を1にするとCKを入力とするT型フリップフロップとなる。また利用しないCLRとPRは抵抗を介して電源につないでおく。
 

図5 JKフリップフロップを用いたTフリップフロップ(回路を完成しなさい)

7.発光ダイオードで論理を見たい
製作したスイッチ駆動T型フリップフロップの出力Q信号で発光ダイオードを駆動し,論理を目で見えるようにしたい。図6のような考えでよいだろうか。
 

図6 発光ダイオードで論理を見たい

8.発光ダイオードの特性を計ろう。
VD=2[V]程度,電流20[mA]程度で発光するといわれているが。マニュアルも見なさい。VVとVDを測定しながら,明るさを観測する。過電流で切れてしまうところまで試す。測定後,ダイオードにかかる電圧VDと流れた電流を求めなさい。
有効な電流値=
そのときのVD=

図7 特性の測定(抵抗値Rを固定して電源電圧を変化させます)

9. 発光ダイオードの下にスイッチ代わりのトランジスタを導入する
トランジスタは,ベースからエミッタに微小電流(ベース電流)を流すと,コレクタからエミッタに大きな電流(コレクタ電流)を流すことができる。簡単な使い方として,微小なベース電流のONOFFでおおきなコレクタ電流のONOFFを行なうスイッチとみなすことができる
そこで,図9のようにして,TTLICの出力で発光ダイオードをONOFFし,論理テスタとして使うことができるだろうか。
動作中のトランジスタのベース−エミッタ間の電圧は0.7V程度である。TTL出力の電流条件を検討し,図9の回路の正当性を検証せよ。
 

図8 スイッチの働きをするトランジスタ

図9 スイッチの働きをするトランジスタで動作する,発光ダイオードを用いた論理テスタ??

10. 発光ダイオードを用いた論理テスタ
図9において動作中のトランジスタによる電圧VCEは0.5Vから1V程度となっている。VD=2VでVCC=5Vの時,iC=20mAにするにはR1を何Ωにすればよいか。
R2の意味はTTLICがHを出力の時,TTLICが過電流になって壊れるのを防ぐ。
TTLICの電流条件からR2の値を考えよ。

図10 発光ダイオードを用いた論理テスタ

11.実習
T型フリップフロップ基板と発光ダイオードを用いた論理テスタ基板の両方を製作する
図5で与えた回路(T型フリップフロップ)を図11の基板上に製作しなさい。
図10で与えた回路のR2より右側の回路(発光ダイオードを用いた論理テスタ)を図12の基板上に製作しなさい。R2の左端からプローブ状のワイアを用いて,T型フリップフロップのQ, notQの論理を観測しなさい。
 

図11 T型フリップフロップ基板

図12 発光ダイオードを用いた論理テスタ基板

 

付録 TTLICの入出力と電流条件

(1) TTLICの入力,出力電圧規格

TTL ICの入出力電圧規格

(2) TTLICの入力,出力電流規格

TTL ICの入出力電流規格の読み方

(3) TTLICの入力,出力動作
 

TTL ICのHighレベル出力時の電流の様子

TTL ICのLowレベル出力時の電流の様子